2013年10月18日

ウィンドウ・シールドガラスのリサイクル

自動車には窓ガラスが付いています。名称はウィンド・シールドガラスといって、正面のフロントガラス、後方のリアガラス、側面のドアに付随するサイドウィンドガラス、後部座席のドアに付随するリアウィンドガラスに分類することができます。
上記の分類はどれも同じガラスのように思えますが、実は四つとも違う分類のガラスであることも珍しくありません。そしてこのことが、自動車のウィンド・シールドガラスをリサイクルするにあたり、大きな問題として横たわっているのです。
まず、ウィンド・シールドガラスのリサイクルの現状ですが、実はほぼ皆無といった状況です。通常のガラス瓶ならば、かなり整備されたリサイクルシステムが出来上がっており、年間2億円近い回収がなされているとも言われます。しかし同じガラスでありながら、自動車のウィンド・シールドガラスはほとんどリサイクルされていないのです。

三菱マテリアル|シュレッダーダスト

自動車が廃車処理された場合、有用性の高いパーツは取り外され、あるいは中古部品として、またあるいは原材料として、さらには電炉の助燃料として、その姿を変化させて社会を循環していきます。一部循環不可能なパーツのみが、法的な規制によって回収され廃棄処分となるほかは、多くのパーツがリサイクルされているというわけです。
そのリサイクル工程の中、機能性部品やレアアースといった希少性の高いパーツを除去した後、車体は潰されスクラップとなります。このあと多くのスクラップが電炉に投入され、例えば鉄は鉄材としてマテリアルリサイクルされ、プラスチックは助燃料となってサーマルリサイクルされるわけです。

実は、ウィンド・シールドガラスはスクラップの際に砕かれ、大部分はその破片となって電炉に投入されています。その後、溶けたウィンド・シールドガラスが、鉄材のように再びガラス原料となりえないのは、不純物が多量に混入しているためなのです。ウィンド・シールドガラスはひとかたまりの廃棄物として埋め立てられます。

廃車 手続き

フロントガラスには、衝突事故時にガラスが飛散しないよう、ガラスとガラスの間に中間膜というフィルムが貼られています。これらは一部リサイクルすることが可能となっており、実際、中間膜を挟んでいるガラスを分離し、ガラス原料としてリサイクルするほか、中間膜はプラスチック同様、助燃料としてサーマルリサイクルすることが、技術的には可能になっています。
また、サイドウィンドやリアウィンドのガラスに至っては、ほぼ純粋なガラス材料としての転用が可能です。もちろん、特に運転席側のサイドウィンドガラスに関しては、UVカット加工がなされているものが多く、大抵はサンカットフィルムが塗布されていますから、これを剥離しなければなりません。しかし、こちらもやはり、技術的にはなんら問題なくリサイクルが可能です。最後のリアウィンドガラスに関しては、フロントガラスの飛散防止処理はもちろんのこと、霜による曇りを除去するための電熱線が内蔵されているものが多く、やはり分離が必要になります。しかし、一旦フィルム、ガラス、電熱線に分けてしまえば、それぞれが助燃料、ガラス原料、銅材なってリサイクルが可能です。

JAMA -JAMAレポート-

ある調査によれば、現状、無償で自動車のウィンド・シールドガラスのリサイクル回収を行う業者は皆無です。ガラスのリサイクル工程には、人件費を含めてある程度の費用が必要ですが、かかる費用を回収することが困難であるというのが実状なのです。
同時に、自動車リサイクル法はそのウィンド・シールドガラスに関してリサイクル義務を課していません。このことが、リサイクルシステムの発達阻害に拍車をかけているという意見もあります。