2013年10月18日

ラジエーターのリサイクル

ガソリン自動車であればガソリンを、ディーゼル自動車であれば軽油を、自動車はその内燃機関において液体燃料を熱エネルギーに変え、そこから運動エネルギーを取り出して走行しています。
自動車が全ての燃料を運動エネルギーに変換できるような、高効率のエンジンを搭載していたなら、おそらくラジエーターは必要ないでしょう。しかし、現実には自動車が走行する過程において、多くの熱エネルギーがエンジンを中心とする各パーツに蓄積され、膨大な熱量となります。そのままでは自動車の機能そのものに重大な障害が発生し、オーバーヒートを起こしてしまうことから、ラジエーターによる排熱処理が必要となってくるのです。

廃車

現代社会における自動車多くは、内燃機関の冷却媒体に水や不凍液などの液体を使用しています。こうした内燃機関のシステムを水冷式エンジンと呼称します。ポルシャなどの一部例外を除き、多くの自動車メーカーが採用しているエンジンシステムです。
水冷式エンジンでは、エンジンの発する余分な熱に対し、冷却水による熱交換を行うとともに、それによって加熱された冷却水を再び放熱させ、温度を下げた状態でエンジンに再度戻すことで、冷却水の循環によるエンジン温度の恒常的な維持を実現しているというわけです。ラジエーターは、この冷却水を放熱する役割を担うパーツであり、エンジンが高温によって機能不全(オーバーヒート)に陥らないようにするための、一種の安全装置でもあります。

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自動車が廃車となる際、多くの部品が取り外され、何らかの形でリサイクルパーツとして転用されますが、ラジエーターもやはり例外ではありません。ラジエーターは大きく分けて冷却水を溜めるタンクと循環させて放熱を促すコアに分類されますが、どちらも従来品であれば銅や真鍮が使用されていましたが、現在はアルミコアが大半を占めているようです。
実はその内部を何度となく冷却水が循環する関係上、ラジエーターは経年劣化による水垢やダストの蓄積が避けられないパーツです。特にコアの内部のみならず、フィンと呼ばれる羽状の部品付近は、外気が通過することもあり汚れが激しい部分となります。
ですから、ラジエーターそのものは、よほどの事情がない限り、中古品をそのまま使いまわすことはあまり考えられません。冷却水を溜めておくタンクはまだマシですが、コアの部分は張替えてリサイクルすることが前提となりますし、その素材が銅や真鍮といった金属であるなら資源の有効活用となることでしょう。

ところが昨今、アルミのコアとプラスチックのタンクを組み込んだラジエーターが登場したことにより、事態は一変しました。というのも、アルミも立派なリサイクル材料ではありますが、ラジエーターの場合はダストによる汚れの付着がひどい為、例えば一般の素人程度では交換が困難になってしまったのです。

ART:自動車破砕残さリサイクル促進チーム

効率化が進み続けた結果として、ラジエーターはリサイクルという観点から見ると、やや劣等生の部類に入ることになりました。リサイクルに手間がかかるパーツであるため、経済性の点から廃棄処分となることが多いのでしょう。こうしたことに対抗するかのように、一部で銅製パーツ復活の動きがあり、抗菌効果やカビなどを防ぐ点でも優位であるというのがウリのようで、注目を集めています。
アルミニウムは腐食に弱いという欠点があり、外部よりも内部で進行した場合、さらにタチが悪くなります。視認できないトラブルを抱えたラジエーターは、ある日突然液漏れを起こし、冷却が困難になったエンジンがオーバーヒートするかもしれません。このことも、ラジエーターのリサイクルを困難にしている一因と言えるでしょう。